2021年12月6日(月)当科でWet Laboを開催いたしました。
笠原教授よりファロー四徴症の講義をしていただき、心臓血管外科専門医取得を目指す当教室の若手医師を中心に、TOFの心臓モデルを用いて実際と変わらない手技を講師の先生より指導をしていただきました。
Off The Job Trainingは日本心臓血管外科学会の専門医取得に必須要件でもありますので、 当教室では専門医を目指す若手医師の手術スキルの向上を目的として定期的にWetLaboを開催しております。
今後もこのような様々な教育プログラムを続けてまいります。
Aim High! 岡山大学心臓血管外科 小林泰幸
この度はサブスペシャルティ取得ということで寄稿の機会を与えて頂き、ありがとうございます。
私のこれまでの経歴を簡単に記します。岡山大学に在学中から外科MC に学生第一号として所属していた私は初期研修を香川県立中央病院で行いました。
前心臓血管外科・佐野教授の教えから、初期研修中は志望科である心臓血管外科以外の診療科をしっかり勉強してきなさいということで、2年目は循環器内科を追加で3ヶ月ローテート、また形成外科や放射線科、麻酔科をとることで外科医としての幅をもたせるようにしました。 後期研修は岡山赤十字病院で2年間過ごし、主に消化器外科をローテートし非常に多くの症例数を執刀させて頂き、外科専門医取得のための必要症例数をクリアしました。最後の半年間は心臓血管外科に所属し、一から心臓血管外科の基本をご指導頂きました。
私は大学4年生まで呼吸器外科志望で将来は肺移植を専門にと考えておりましたが、大学5年生の4月に基本臨床実習で佐野教授のJatene手術を間近で見て、その鮮やかな運針と血行動態の変化に心を奪われ、小児心臓血管外科を志すことにしました。医師5年目で岡山大学に戻ってきた私は2年間病棟医として勤務しましたが、丁度その佐野教授から笠原教授への代替わりの年であり、2人のBig Surgeonの手術をシャワーのように浴びてビデオで振り返って勉強しつつ病棟医に没頭する、文字通りResidentである日々でした。小谷准教授のご指導のもと、人生初めての開心術を行ったのもこの年でした。
7年目で大学院に入学し、臨床やCCU日当直を行いながら土日にブタを用いた心移植の実験を行いました。はじめの1年は先輩の実験の手伝いで、私自身の実験は8年目から本格的に始動しましたが、当初は実験に10回連続失敗し心が折れながらも小谷准教授に逐次アドバイスを頂き、その後は立て続けに最後まで成功をおさめ無事1年間で実験生活を終了し大学院を早期修了するに至りました。(ブタマスターの称号を得たのもこの時でした。)
その傍ら開心術の機会を多数頂きまして、小谷准教授・黒子講師をはじめとして笠原教授にも直々に前立ちを行って頂き誠に恐縮でしたが、本当に沢山のTipsを学ぶことができ結果的には心臓血管外科専門医取得のための必要症例数(50例のうち30例が小児開心術)を全てこの岡山大学で経験させて頂くことになりました。小児の開心術は高難度・ハイリスクでありますが、器の大きい上司に巡り会えたことと厳しくも温かいご指導を賜ったことは私の財産であります。
当科では臨床研究が進んでおり、その卓越した技術と思慮に満ちた戦略により世界をリードする成績を叩き出しておりますが、それらを僅かながら国際学会で講演及び論文にする機会も得て、目標であるアカデミックサージャンへの一歩を踏み出すことができました。
この夏よりトロント小児病院(SickKids)へ留学させて頂く運びとなりましたが、笠原教授・小谷准教授に改めてお礼を申し上げると共に、これを起点としてさらに高みを目指して邁進する所存であります。 岡山大学心臓血管外科は、最高峰のチーム医療を患者様に提供できるハイボリュームセンターであるとともに、面倒見の良い指導医が揃い、これまで数多くのトランスレーショナルリサーチを進めてきました。 出身に関わらず全ての方々に岡山大学の門を叩いて頂けるのと信じております。
第2回日本医用Diamond-like Carbon研究会(日本医用Diamond-like Carbon研究会HP:https://www.dlc-med.org/)をWeb開催しました。
代表幹事は当学薬理学部教室の逢坂大樹助教にして頂きました。今年は17名の参加を得て、Diamond-like Carbonの医療応用について活発な議論が交わされました。当科の笠原教授にも初参加頂きました。教育講演では、本研究会理事でもある國次真輔先生(岡山県工業技術センター金属加工科科長)より、Diamond-like Carbonの分類に関する最新の情報提供、また、Diamond-like Carbonの評価法についても解説いただきました。
当科のDiamond-Like-Carbon コーティングの医療応用プロジェクトが、中国銀行本店3階大ホールで開催されたOKAYMA TECH PLAN GRAND PRIX(主催:株式会社中国銀行、株式会社リバネス)にて「オルバヘルスケアホールディング賞」を受賞致しました。
当日は共同研究者の薬理学教室逢坂大樹助教にプレゼンを行って頂きました。最優秀賞は逃しましたが、会場投票では1位でした!
今回は新型コロナウィルスの影響でハイブリット開催(一部会場開催+Web配信)となりましたが、100名を超える多くの先生方にご参加いただき盛会裡に終えることができました。
これもひとえに皆様方のお力添えの賜物と心より御礼申し上げます。
本年度の笠原賞は小林 泰幸 先生が受賞され、記念品として『3D心臓』を贈呈いたしました。
岡山大学心臓血管外科 笠原教授が岡山大学小児外科 野田教授とともにラジオ番組に出演します。
RSKラジオ 朝耳らじお55(GOGO)
■岡山大学心臓血管外科 笠原真悟先生
放送日:9月23日(水)12:15頃~
■岡山大学小児外科 野田卓男先生
放送日:9月22日(火)12:15頃~
講義
どうかな?
笠原教授とともに
喜岡先生からも
七条先生と一緒に
末澤先生も
畝先生と一緒に
吉田先生から
男山田の白熱教室
集合写真
9月24日(日)岡山市内のホテルにて、笠原真悟先生の教授就任祝賀会が 行われました。
発起人の一人でもあり、また笠原先生の恩師でもある佐野俊二先生(現:カリフォルニア大学サンフランシスコ校 心臓血管外科 教授)をはじめ、多くの大学・医療関係者にご参加いただいて、笠原先生と私ども心臓血管外科教室の新たな船出をお祝いしました。 祝辞では、吉村博邦先生(一般財団法人 日本専門医機構 理事長)からのビデオレターでのメッセージが上映され会場を沸かせました。
わたしども心臓血管外科教室の全スタッフは、更なる飛躍を目指して笠原教授とともに医療・研究に邁進していきます。